第36回|AIに任せること、任せないこと|期待値は計算できても決断はできない

資産再登山記

前回(第35回)は、

与作のターゲットリストの作り方

について書いた。

ワシがまず見るのは、

成長性があるか。

半年から1年程度で回復・上昇する可能性があるか。

財務に大きな不安がないか。

そして最後は、

何度も売買してきた経験を含めた、

「銘柄との相性」

である。

ただ、

ターゲット銘柄を決めたからといって、

そのまま買うわけではない。

ここから先で、

ワシが使うことがあるのがAIだ。

といっても、

AIに、

「この株を買った方がいいか?」

と聞いているわけではない。

ワシがAIに任せているのは、

判断そのものではなく、判断するための計算である。

今回は、

ワシがスイングトレードでAIに何を任せ、

何を自分で決めているのか。

実際に使っている期待値計算を例に、

書いてみたい。


■この記事でわかること

・与作がAIに何を計算させているのか

・期待売価は誰が決めるのか

・目標株価への「到達確率」をどう使っているのか

・なぜAIの計算結果だけでは売買を決めないのか

・AIと人間の役割をどう分けているのか


■結論

👉 銘柄を選ぶのはワシ

👉 期待売価を決めるのもワシ

👉 そこまでの到達確率や日数を計算するのがAI

👉 その数字をどう見るかは、またワシ

👉 最後に金を入れると決断するのもワシ

AIは、

投資判断を代わりにしてくれる存在ではない。

ワシにとってAIとは、

自分で決断するための材料を、数字にして見せてくれる道具

なのである。


■最初に銘柄を選ぶのはワシ

まず、

大前提を書いておきたい。

ワシは、

AIに、

「今、何を買えば儲かりますか?」

とは聞かない。

銘柄を探すところまで、

AIに丸投げしているわけでもない。

前回書いたように、

成長性や財務、

株価の位置などを見ながら、

まずワシ自身がターゲットとなる銘柄を選ぶ。

そして、

たとえば現在株価が2,500円前後だったとする。

この銘柄なら、

2,800円くらいまでなら狙えるのではないか。

いや、

2,900円まで戻る可能性もある。

うまくいけば、

3,000円もあるかもしれない。

こうして、

ワシ自身が段階別に期待売価を設定する。

仮に、

A=2,800円

B=2,900円

C=3,000円

としておこう。

ここまで、

AIは決めていない。

銘柄を選ぶのもワシ。

期待売価を置くのもワシ。

AIの仕事は、

ここから始まる。


■AIに計算を任せる

ワシがAIに渡すのは、

基本的には、

・銘柄コード

・銘柄名

・現在株価

・段階別の期待売価

といった情報である。

そこから先の計算を、

チャッピーにやってもらう。

たとえば、

期待売価Aには、

どの程度の期間で到達する可能性があるのか。

期待売価Bならどうか。

さらに高いCならどうか。

ワシが使っている計算表では、

目標株価ごとに、

50%・70%・80%の確率で初めて到達すると見込まれる目安営業日

を出すことができる。

反対方向から見ることもできる。

20営業日。

40営業日。

60営業日。

90営業日。

120営業日。

180営業日。

252営業日。

それぞれの期間内に、

一度でも目標株価へ到達する確率

を計算する。

ここは大事なところで、

「90営業日後の終値が3,000円になる確率」

を計算しているわけではない。

90営業日の間に、一度でも3,000円へ到達する確率

を見るのである。

ワシが知りたいのは、

その株価でずっと居続ける確率ではない。

スイングトレードなのだから、

狙った価格へ売るチャンスが来る可能性を見たい。

そのための数字である。


■70%という数字を一つの目安にする

ワシが特に見る数字の一つが、

70%の到達確率

である。

たとえば、

Aの期待売価なら比較的短い期間で70%に届く。

Bになると少し時間がかかる。

Cではさらに長くなる。

当然、

期待売価を高く設定すれば、

そこまで到達するハードルも上がる。

そこで、

A・B・Cそれぞれについて、

70%の確率で到達すると見込めるまでに、

何営業日かかるのかを比較する。

ワシが一つの目安としているのは、

90営業日前後。

信用取引の返済期限は180日である。

だから、

180日の期限ギリギリまで、

「いつか戻るだろう」

と待つような勝負はしたくない。

その半分程度の時間で、

狙った価格まで届く可能性がどのくらいあるのか。

それを数字で確認する。

ただし、

ここで忘れてはいけないことがある。

70%は100%ではない。

当然、

外れることもある。


■AIが70%と言っても、買うとは限らない

では、

AIの計算で、

「この期待売価なら70%の確率で到達すると見込める」

という数字が出たとする。

それなら買うのか。

そんな単純な話ではない。

この計算だけで、

決算の中身まで分かるわけではない。

信用需給もある。

その時の地合いもある。

世界情勢が突然変わることもある。

そして、

ワシ自身の信用余力もある。

他の銘柄をどれだけ持っているかによっても、

取れるリスクは変わる。

同じ70%という数字でも、

いつでも同じ判断になるわけではない。

だから、

AIが出してくれた数字は、

あくまで、

判断材料の一つ

なのである。


■AIは期待売価を決めてくれない

ここも、

ワシにとって重要なところである。

AIは、

ワシが設定した期待売価に対して、

計算をしてくれる。

だが、

そもそも、

どこを期待売価にするのか。

ここには、

人間の判断が入っている。

その会社をどう見ているのか。

今の株価は、

本当に下がり過ぎなのか。

どのあたりまで戻れば、

十分な利益だと考えるのか。

欲張って、

さらに上を狙うのか。

それとも、

現実的なところで降りるのか。

A、B、Cという期待売価を設定する段階から、

すでにワシ自身の判断なのである。

AIは、

その仮説を、

数字で検証する手伝い

をしてくれる。


■同じ数字を見ても、答えは一つではない

もう一つ、

AIに任せられないことがある。

それは、

出てきた数字のどこを重視するか

である。

Aなら早く届きそうだ。

Bならもう少し利益が取れる。

Cなら利益は大きいが、

待つ時間も長くなる。

では、

どれを選ぶのか。

これは計算だけでは決まらない。

さらに、

今すぐ入るのか。

もう少し株価が下がるのを待つのか。

何株入れるのか。

最初は少なく入るのか。

買い増しする余力を残すのか。

あるいは、

今回は見送るのか。

最後は、

ワシ自身が決めるしかない。

なぜなら、

その金を出すのはAIではないからだ。


■計算はAI、決断は人間

AIを使うようになって、

ワシが便利だと感じているのは、

人間なら面倒な計算を、

短時間で形にしてくれることである。

複数の銘柄。

複数の期待売価。

複数の期間。

それぞれを数字にして並べれば、

感覚だけで考えていたものを、

比較しやすくなる。

これは大きい。

だが、

だからといって、

AIに投資を任せているわけではない。

AIがやっているのは、

計算するところまで。

その数字を見て、

何に注目するのか。

どのリスクを取るのか。

そして、

実際に金を入れるのか。

そこから先は、

ワシの仕事である。


👉まとめ

今回書きたかったのは、

「AIを使えば株で勝てる」

という話ではない。

むしろ逆である。

ワシがAIに任せている範囲は、

はっきりしている。

銘柄を選ぶ。

期待売価を決める。

これはワシ。

その期待売価まで、

どのくらいの確率で、

どのくらいの日数で到達すると見込めるのか。

その計算はAI。

そして、

計算結果を見たあと、

買うのか。

待つのか。

見送るのか。

何株入れるのか。

それを決めるのは、

再びワシである。

AIは決断してくれない。

いや、

ワシは、

決断までAIに任せようとは思っていない。

AIは、

ワシの代わりに山を登ってくれる存在ではない。

ただ、

これから登ろうとしている山について、

距離や傾斜を数字で見せてくれる。

その情報を見て、

この山へ登るのか。

今日はやめておくのか。

どこまで登るのか。

最後に決めるのは、

やはり自分である。

投資も、

それと同じだと思っている。

計算はAIに任せる。

決断はワシがする。

今のところ、

それがワシにとって、

一番しっくりくるAIとの付き合い方である。


■次回予告

高配当株から受け取る配当は、

現在、年間で約80万円を見込んでいる。

年間80万円。

数字だけを見れば、

決して小さなお金ではない。

では、

この配当が入るようになって、

ワシの暮らしは実際に変わったのか。

生活が豊かになったのか。

使えるお金が増えたと感じるのか。

それとも、

暮らしそのものは、

以前とそれほど変わっていないのか。

考えてみると、

配当金の意味は、

単に「年間いくらもらえるか」だけではないような気がする。

次回は、

第37回|配当年80万円で、暮らしは変わったのか

実際に配当を受け取る側になって感じていることを、

数字だけではなく、

ワシ自身の暮らしから振り返ってみたい。

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