前回は、ワシが現金をすべて投資に回さない理由について書いた。
今回は、ワシの投資の三本柱の一つ、高配当株投資の話だ。
ワシは現在、31銘柄の高配当株を保有している。
目標は50銘柄。
しかし、なかなか先へ進まない。
今回は少し視点を変えて、実際のポートフォリオを数字で点検してみることにした。
日本株市場全体と比較したら、ワシの31銘柄はどんな構成になっているのだろうか。
そこから見えてきたのは、分散投資の難しさと、ワシが50銘柄を急がない理由だった。

■この記事でわかること
・高配当株31銘柄の業種別構成
・TOPIXと比較して見えてきた偏り
・銘柄数と分散効果の関係
・分散の理想と購入タイミングをどう考えるか
■結論
👉 31銘柄に分散していても、業種にはかなりの偏りがある。
👉 分散投資に唯一の正解はない。ただし、自分なりの理想はあっていい。
👉 理想の構成に近づけるために、割高な株を無理に買うつもりはない。
■31銘柄、約1,680万円の現在地
2026年10月12日現在。
ワシの高配当株は31銘柄、評価額は約1,680万円になっている。
これを業種別に集計してみた。
| 業種 | 構成比 |
|---|---|
| 輸送用機器 | 20.34% |
| 化学 | 14.45% |
| 卸売業 | 10.40% |
| サービス業 | 9.66% |
| 鉄鋼 | 8.17% |
| 証券・商品先物 | 6.88% |
| 機械 | 6.17% |
| 電気機器 | 5.70% |
| その他 | 18.23% |
| 合計 | 100.00% |
※2026年10月12日現在の保有株評価額を基に集計。
こうして並べると、なかなか興味深い。
輸送用機器が約20%、化学が約14%。
この二つだけで全体の約35%を占めている。
特に輸送用機器には、自動車メーカーや自動車部品関連の企業が多い。
それぞれ違う会社の株を持っていても、同じ業界に属していれば、景気や為替、業界全体の動向によって似たような影響を受ける可能性がある。
つまり、31銘柄に分けているからといって、リスクまで31等分されているわけではない。
銘柄数だけでは、分散の実態はわからないということだ。
■日本株全体と比較してみた
では、ワシのポートフォリオは日本株市場全体と比べてどうなのだろうか。
比較対象としてTOPIXを取り上げてみた。
TOPIXは、日本株市場全体の動向を広く表す株価指数だ。
その業種別構成と、ワシの高配当株を比べてみる。
| 業種 | 与作の高配当株 | TOPIX連動投信 |
|---|---|---|
| 輸送用機器 | 20.34% | 6.0% |
| 化学 | 14.45% | 4.5% |
| 卸売業 | 10.40% | 8.7% |
| 電気機器 | 5.70% | 16.5% |
| 銀行業 | 0% | 10.1% |
| 情報・通信業 | 0% | 5.9% |
※与作の高配当株は2026年10月12日現在。比較対象は「たわらノーロード TOPIX」の2026年3月末の業種別構成比。基準日が異なるため、市場全体との構成の違いを把握するための参考比較である。
どうだろう。
ずいぶん違うものだ。
ワシの場合、輸送用機器と化学の比率が大きい。
一方、TOPIXでは大きな割合を占める銀行業や情報・通信業は、ワシのポートフォリオには入っていない。
もっとも、これを見て「ワシの構成は間違っている」と考える必要はない。
そもそもTOPIXは、日本株市場全体を反映する指数である。
ワシが保有しているのは、配当を目的として自分で選んだ個別株だ。
投資目的も銘柄の選び方も違う。
構成が異なるのは当然のことだ。
それでも、こうして市場全体と比較してみる意味はある。
自分がどの業種に多く投資し、どの業種にはほとんど投資していないのか。
普段は意識しにくいポートフォリオの特徴が、数字ではっきり見えてくるからだ。

■分散投資に正解はあるのか
ワシは、高配当株投資では分散が大切だと考えている。
一つの企業に集中していれば、その企業の業績悪化や減配が、資産や配当収入に大きく影響する。
だから複数の企業に投資する。
さらに、同じ業種ばかりに偏らないことも意識したい。
しかし、ここで一つ疑問がある。
いったい、どの程度分散すれば正解なのだろうか。
輸送用機器は何%までならいいのか。
銀行業は必ず持たなければならないのか。
業種ごとの比率をTOPIXに近づければ、それで理想的な高配当株投資になるのだろうか。
ワシは、そうは思わない。
投資する目的も、許容できるリスクも、保有する資産も人それぞれだ。
高配当株投資に、万人共通の正解があるわけではない。
ただし、だからといって何も考えなくていいわけでもない。
正解はなくても、自分なりの理想はあっていい。
ワシの場合は、特定の企業や業種に過度に依存せず、長く配当を受け取り続けられるポートフォリオを育てていきたい。
そのために、現在の構成を把握しておくことは大切だと思っている。
■インデックス投資と高配当株投資は違う
ここで、ワシがいつも意識していることがある。
インデックス投資と高配当株投資の違いだ。
インデックス投資では、指数に組み込まれる企業をワシが一社ずつ選ぶわけではない。
個々の企業の株価を見て、今日はこの銘柄だけ買おう、という投資でもない。
ワシは決めたルールに従って、淡々と積み立てている。
一方、高配当株投資は違う。
どの企業を選ぶのか。
いつ買うのか。
いくらなら買うのか。
すべて自分で判断できる。
ワシにとって、高配当株投資はタイミング投資なのだ。
配当利回りが魅力的でも、企業の業績や財務内容に不安があれば買わない。
良い企業だと思っても、株価が割高だと感じれば買わない。
もちろん、株価の底を正確に当てることなどできない。
暴落の時だけを狙って買うのも現実的ではない。
それでも、少なくとも自分が納得できる価格で仕込むことは大切にしたい。
買った後に株価がどう動くかはわからない。
しかし、買う時の価格を自分で選ぶことはできる。
これは個別株投資の難しさでもあり、面白さでもある。
■理想のために、アホな買い方はしない
今回、TOPIXと比較したことで、ワシのポートフォリオには明らかな偏りがあるとわかった。
では、その偏りを今すぐ修正するべきだろうか。
例えば、銀行業を保有していないから銀行株を買う。
情報・通信業がゼロだから、その業種の株を買う。
それだけなら簡単な話だ。
しかし、肝心の株価が割高だったらどうするのか。
分散のためとはいえ、納得できない価格で買ってしまえば、高値づかみのリスクを自分から取りにいくことになる。
ワシは、そんな買い方をするつもりはない。
ポートフォリオを理想に近づけることは大切だ。
しかし、理想の構成比を達成すること自体が投資の目的ではない。
分散のために、投資判断の基本を曲げては本末転倒だ。
今の構成に偏りがあるなら、そのことを認識しておけばいい。
そして、新たな投資機会が訪れた時に、その偏りも判断材料の一つにすればいい。
今すぐ何かを買わなければならないわけではないのだ。
■50銘柄への道は、まだ途中
ワシの高配当株投資の目標は50銘柄。
現在31銘柄だから、あと19銘柄だ。
しかし、50銘柄という数字には期限を設けていない。
買いたい企業があっても、株価が高ければ待てばいい。
条件に合う企業が見つからなければ、無理に増やさなくてもいい。
その間に、現在保有している企業の株価が魅力的な水準になることもあるだろう。
新規銘柄の追加だけが投資ではない。
既存銘柄の買い増しという選択肢もある。
もちろん、買い増しによって特定の企業や業種への集中がさらに進む可能性もある。
だからこそ、個別の購入判断とポートフォリオ全体のバランスを、両方見ておく必要がある。
理想の構成を意識しながらも、購入価格では妥協しない。
時間をかけて、少しずつ整えていけばいい。

👉まとめ|分散に正解はない。それでも理想はあっていい
今回、31銘柄のポートフォリオを数字で点検してみた。
わかったのは、銘柄数が増えても業種の偏りは残るということだ。
そして、TOPIXと比較してみることで、その偏りがより明確になった。
しかし、だからといって、今すぐ何かを変える必要があるとは思っていない。
分散投資に唯一の正解はない。
それでも、自分なりの理想はあっていい。
大切なのは、その理想を持ちながらも、理想に振り回されないことだ。
ポートフォリオをきれいに整えるために、割高な株を買ってまで帳尻を合わせる必要はない。
50銘柄への道は、まだ途中だ。
ワシはこれからも、自分が納得できる企業を、納得できる価格で、一銘柄ずつ積み上げていく。
焦らず、恐れず、欲張らず。
それがワシの高配当株投資だ。
■次回予告
第41回|ニデック(6594)|天国か地獄か、結末の見えない投資
上場を維持できるのか。それとも上場廃止に向かうのか。
先行きが不透明なニデック。
ワシも以前、この銘柄を保有していた。
結果次第では天国と地獄。それでも、まだ結論は出ていない。
次回は、このような先行き不透明な話題銘柄、
数か月前には時価総額でトヨタをも上回り
世間の注目を集めたキオクシアなど、テーマ株との付き合い方について、
ワシの考え方を書いてみたい。
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