第26回(前編)|ソシオネクスト(6526)で崩れた「期待値」トレード|ゴールポストが動いた日

資産再登山記

前回(第25回)は「ナンピンと買い増しは何が違うのか」という話を書いた。

今回は、その土台にある**「期待値」**そのものについて話したい。

ワシはこの8か月、スイングトレードで期待値だけを信じて淡々とトレードしてきた。

ところが、ある銘柄との出会いが、その考え方を根底から揺さぶることになる。

ソシオネクストだ。

■この記事でわかること

  • 与作が考える期待値とは何か
  • ソシオネクストで気づいた新しい考え方
  • 「ゴールポストが動く」とはどういう意味か

結論

👉 ワシは過去3年の値動きだけで期待値を組む

👉 その期待値だけを信じて淡々とトレードする

👉 だが、決めたはずのゴールポストは知らぬ間に動く


与作が考える「期待値」とは何か

まず、ワシ流の期待値について説明したい。

ターゲットリストに入れた銘柄へ、割安と判断した株価で逆張りの打診買いを入れる。

すぐに反発することは稀だから、さらに下がれば買い増しするケースも多い。

そこで重要になるのが、どこで手仕舞いするかである。

ワシの考え方は徹底した確率思考だ。

市場動向も、四半期決算などのファンダメンタルズも、移動平均線などのテクニカル指標も、一旦すべて頭から外す。

過去三年間の値動きだけを使い、三段階のターゲット価格へ終値ベースで到達する日数を、80%・70%・50%の確率で予測する。

計算はもちろんAI任せだ。

前提はこうだ。

  • 現在株価:直近終値
  • 年率ボラティリティ:σ=0.382
  • モデル:ドリフト0のブラウン運動
  • 期間:直近3年
  • 目標株価:例として 2300/2500/2700 円の三段階
  • 換算:1年=252営業日

そして、ワシ流のルールはシンプルである。

「70%の確率で、三段階の目標株価へ90日以内に到達する」

そう予測された銘柄だけにチャレンジする。

90日というのは、制度信用の期日180日の半分を一つの目安としている。

ここにはファンダも、テクニカルも、地政学リスクも加味しない。

淡々と、愚直に、この期待値だけを信じる。

どうせ株価は誰にも予測できない。

それなら神頼みではなく、感情を排した一定のルールで、

保有するか、買い増しするか、それとも損切りするか。

を判断した方がいい。

感情が入らない分、サンクコストに振り回されることもない。

期待値そのものが外れたなら、無感情に損切りすればいいだけだ。

ソシオネクストで起きたこと ~期待値が裏切られた~

ところが、ここからワシの考え方を根底から覆す出来事が起きる。

銘柄はソシオネクスト。

以降、「ソシオ」と呼ぶ。

ソシオだけは、これまで期待値どおりに動いてくれた銘柄たちとは違った。

期待値とは真逆に、下がり続けたのである。

どう考えても初動は高値掴みだった。

だから、そこは躊躇なく損切りした。

損切りは3回。

トータル3000株。

損失は約60万円。

それでも、ワシのソシオに対する期待値は高いままだった。

だから諦めなかった。

株価が下がったところで拾い直し、最終的な保有株数は6000株になった。

もちろん、信用余力100%以上は維持したままである。

米国も、日本も、韓国も。

半導体株が次々と上昇する中、ソシオだけは独立独歩で下げ続けた。

それでもワシは、

期待値が示す限り、諦めなかった。


「ゴールポストが動いた」とはどういう意味か

そして、事件が起きた。

GW明け。

ワシは確信を持って決算をまたいだ。

数字は悪くない。

いや、むしろまずまずだった。

ところが株価は下げた。

アナリストは言う。

「コンセンサスは上回った。しかし来期予想が期待ほどではなかった。だから失望売りだ。」

本当かよ。

適当なこと言うんじゃねぇ。

後付けなら何とでも言える。

株価に法則なんてない。

株価は人の感情で動く。

もし、その感情さえ誰かが左右できるのなら、我々個人投資家は振り回されるだけだ。

そして、その時。

驚くべきことが起きた。

ゴールポストが動いた。

期待値だけはワシを裏切らない。

そう信じていた。

しかし、そうではなかった。

三か月前にシミュレーションした期待値では、

2300円、2400円、2500円。

この三段階すべてが、70%の確率で90日以内に到達する予測だった。

ところが、そのゴールは

2150円、2250円、2350円へと下方修正されてしまった。

決算の業績は変わっていない。

だが株価が2000円を割り込み、過去三年間の値動きそのものが変わったことで、期待値も変わってしまったのである。

これが、

「ゴールポストが動く」

ということだった。

期待値とは、一度計算したら終わりではない。

相場が変われば、期待値も変わる。

ワシはソシオを通じて、その事実を身をもって知ったのである。

ここでワシは腹をくくった。

前提が崩れた以上、

ジタバタする理由はない。

サンクコストもへったくれもない。

期待値が変わったなら、ルールも変える。

損切上等。

ワシはそう腹をくくった。


詳しい考え方は

👉 第14回期待値で投資する方法|株価は読めない


👉まとめ

▶ ワシの期待値は、過去3年の値動きだけで組む“確率のシミュレーション”

▶ ソシオだけは期待値と真逆に下げ続け、損切は3回・約60万

▶ 三か月前に決めたゴールポスト(目標株価)が、知らぬ間に下方へ動いた

▶ 前提が崩れた以上ジタバタしない。損切上等と腹をくくった

▶ 焦らず・恐れず・欲張らず、だ


■次回予告

損切を覚悟したワシに、相場はとんでもない仕打ちを用意していた。大外れしたはずの期待値が、なぜかワシを大儲けさせる――。後編『第27回(後編)|動いたゴールで、どう戦うか』では、その顛末と、ワシがたどり着いた“ある真理”を書く。お楽しみに。

前回記事

👉 第25回|「ナンピンと買い増しは何が違うのか|50代から学ぶ与作流・期待値投資」

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