前回(第25回)は「ナンピンと買い増しは何が違うのか」という話を書いた。
今回は、その土台にある**「期待値」**そのものについて話したい。
ワシはこの8か月、スイングトレードで期待値だけを信じて淡々とトレードしてきた。
ところが、ある銘柄との出会いが、その考え方を根底から揺さぶることになる。
ソシオネクストだ。
■この記事でわかること
- 与作が考える期待値とは何か
- ソシオネクストで気づいた新しい考え方
- 「ゴールポストが動く」とはどういう意味か

結論
👉 ワシは過去3年の値動きだけで期待値を組む
👉 その期待値だけを信じて淡々とトレードする
👉 だが、決めたはずのゴールポストは知らぬ間に動く
与作が考える「期待値」とは何か
まず、ワシ流の期待値について説明したい。
ターゲットリストに入れた銘柄へ、割安と判断した株価で逆張りの打診買いを入れる。
すぐに反発することは稀だから、さらに下がれば買い増しするケースも多い。
そこで重要になるのが、どこで手仕舞いするかである。
ワシの考え方は徹底した確率思考だ。
市場動向も、四半期決算などのファンダメンタルズも、移動平均線などのテクニカル指標も、一旦すべて頭から外す。
過去三年間の値動きだけを使い、三段階のターゲット価格へ終値ベースで到達する日数を、80%・70%・50%の確率で予測する。
計算はもちろんAI任せだ。
前提はこうだ。
- 現在株価:直近終値
- 年率ボラティリティ:σ=0.382
- モデル:ドリフト0のブラウン運動
- 期間:直近3年
- 目標株価:例として 2300/2500/2700 円の三段階
- 換算:1年=252営業日
そして、ワシ流のルールはシンプルである。
「70%の確率で、三段階の目標株価へ90日以内に到達する」
そう予測された銘柄だけにチャレンジする。
90日というのは、制度信用の期日180日の半分を一つの目安としている。
ここにはファンダも、テクニカルも、地政学リスクも加味しない。
淡々と、愚直に、この期待値だけを信じる。
どうせ株価は誰にも予測できない。
それなら神頼みではなく、感情を排した一定のルールで、
保有するか、買い増しするか、それとも損切りするか。
を判断した方がいい。
感情が入らない分、サンクコストに振り回されることもない。
期待値そのものが外れたなら、無感情に損切りすればいいだけだ。
ソシオネクストで起きたこと ~期待値が裏切られた~
ところが、ここからワシの考え方を根底から覆す出来事が起きる。
銘柄はソシオネクスト。
以降、「ソシオ」と呼ぶ。
ソシオだけは、これまで期待値どおりに動いてくれた銘柄たちとは違った。
期待値とは真逆に、下がり続けたのである。
どう考えても初動は高値掴みだった。
だから、そこは躊躇なく損切りした。
損切りは3回。
トータル3000株。
損失は約60万円。
それでも、ワシのソシオに対する期待値は高いままだった。
だから諦めなかった。
株価が下がったところで拾い直し、最終的な保有株数は6000株になった。
もちろん、信用余力100%以上は維持したままである。
米国も、日本も、韓国も。
半導体株が次々と上昇する中、ソシオだけは独立独歩で下げ続けた。
それでもワシは、
期待値が示す限り、諦めなかった。

「ゴールポストが動いた」とはどういう意味か
そして、事件が起きた。
GW明け。
ワシは確信を持って決算をまたいだ。
数字は悪くない。
いや、むしろまずまずだった。
ところが株価は下げた。
アナリストは言う。
「コンセンサスは上回った。しかし来期予想が期待ほどではなかった。だから失望売りだ。」
本当かよ。
適当なこと言うんじゃねぇ。
後付けなら何とでも言える。
株価に法則なんてない。
株価は人の感情で動く。
もし、その感情さえ誰かが左右できるのなら、我々個人投資家は振り回されるだけだ。
そして、その時。
驚くべきことが起きた。
ゴールポストが動いた。
期待値だけはワシを裏切らない。
そう信じていた。
しかし、そうではなかった。
三か月前にシミュレーションした期待値では、
2300円、2400円、2500円。
この三段階すべてが、70%の確率で90日以内に到達する予測だった。
ところが、そのゴールは
2150円、2250円、2350円へと下方修正されてしまった。
決算の業績は変わっていない。
だが株価が2000円を割り込み、過去三年間の値動きそのものが変わったことで、期待値も変わってしまったのである。
これが、
「ゴールポストが動く」
ということだった。
期待値とは、一度計算したら終わりではない。
相場が変われば、期待値も変わる。
ワシはソシオを通じて、その事実を身をもって知ったのである。
ここでワシは腹をくくった。
前提が崩れた以上、
ジタバタする理由はない。
サンクコストもへったくれもない。
期待値が変わったなら、ルールも変える。
損切上等。
ワシはそう腹をくくった。
詳しい考え方は
👉 第14回期待値で投資する方法|株価は読めない

👉まとめ
▶ ワシの期待値は、過去3年の値動きだけで組む“確率のシミュレーション”
▶ ソシオだけは期待値と真逆に下げ続け、損切は3回・約60万
▶ 三か月前に決めたゴールポスト(目標株価)が、知らぬ間に下方へ動いた
▶ 前提が崩れた以上ジタバタしない。損切上等と腹をくくった
▶ 焦らず・恐れず・欲張らず、だ
■次回予告
損切を覚悟したワシに、相場はとんでもない仕打ちを用意していた。大外れしたはずの期待値が、なぜかワシを大儲けさせる――。後編『第27回(後編)|動いたゴールで、どう戦うか』では、その顛末と、ワシがたどり着いた“ある真理”を書く。お楽しみに。
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